2017年12月13日水曜日

パナソニックのLEDランタンは、今世代の国民的ライトだ。

以前、キャンプ用に買ったパナソニックのLEDランタンがとてもいい感じだった。

ナショナルの懐中電灯といえば、ビジネスホテルのベッドサイドに非常用として取り付けてあるスチールを筒にしたような、これぞジャパニーズマグライトといった懐中電灯を思いだす。
あるいは赤色で単一電池を何個か入れて使うやたらでかい、田舎のばあちゃん家に行くと必ずあるやつも、ナショナルーって感じがする。

シュアファイアー、マグライト、ジェントスのような、いかにも丈夫そうに見える黒い筐体に、強力な光…、みたいなのは国内ではあまり流行らず、蛍光灯 灯るオフィスでデザインされた、生ぬるい懐中電灯ばかりである。
だが、ナショナルはそもそも玄人好みの懐中電灯は端から考えてなかったのかもしれない。ナショナルは昔から庶民と一緒だった。価格はすぐに買える手頃な設定で、かと言って壊れやすいものではない。今のパナソニックの懐中電灯に必要なことは、強烈な光や堅牢性ではなく、普段はその存在を忘れていても、ここぞというときにちゃんと灯りをともしてくれることだろう。

そんなパナソニックから販売されているLEDランタンを紹介しよう。

LEDランタン(球ランタン®)

いままでのランタンのイメージを覆すデザイン、電球風でなんとも可愛らしいですねぇ。

使い方は、球ランタンの底部にスイッチがあってそれを押すか、専用のスタンドにのせた状態で球部分を押し込めば、スイッチが押される仕組みで光りだす。

明るさは二段階で調光可能なのだが、これが最初暗めから点灯する。これはかなりポイント高いので、もう一度声を大にして言いたい―

スイッチを押すと暗めから点灯する。


なぜ最近のLEDライトは調光できるようになってから、一番最初からフルパワーで光りだすのか。「最初はフルパワー」のせいで、せっかくなれた夜目が何度潰されたかわからない。

一方、これは使われるシーンをちゃんと想定し、そのときの状況に応えてくれる。これをもって、何百メートルの先を照らすわけでもないし、急に現れた敵や暴漢をライトの光で目を潰すわけでもない。やることといえば、周りを穏やかに照らしたり、夜起きたときに灯りがほしいときとかに使ったりと、手足が届く範囲を照らす程度だったら、最初は暗めがいい。

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キャンプに行った時、深夜に星を見るために仮眠をとった。目が醒めて、テントを開けるときにこのランタンを灯した時、なんとも夜に調和した光だと感心した。そしてそのままテントを開けた時、満天の星空に眠気が一気に吹き飛んだ。
そう、穏やかな光のお陰で、すぐに星空を見る目に戻れたのだ。

どんなにきれいな星空が見えるとこでも、目が慣れていなければ六等星の星は見れない。そして一度でも明るい光を見ると、また目を慣らすのにしばらく時間がかかる。星の煌めきというのは本当に小さいのだ。
戦場ヶ原ひたぎは別に意地悪で阿良々木くんの頭を押さえたまま山道を歩かせたのではない。車から降りてしばらく闇に目がなれてから、満点の星空を見てほしかったのだ。


話が逸れたが、このLEDランタンは全灯状態にしても、それほど明るくはならない。どちらかと言うと、暗いと感じつつも最後は目がその光量になれてくる感じだ。
これは非常用としては最低限の明るさを確保しつつ、電池寿命を長くするには具合がいいし、キャンプでは前述の通り、闇と友だちになるには明るすぎない適切な光だ。
これはとても絶妙な明るさだと思う。電球色ってのも、LEDのくせにぬくもり感じていい感じだ。

球ランタンを「暗め」でテントを照らして撮影した。星の光に対し、テントが破綻しない明るさで灯されていることからわかるように、「暗め」はかなり暗い。

暗くても、目が応えてくれる。せっかくのキャンプ、夜も自然と友だちになればいいと思う。
星がこんなに明るかったんだと気づくから。

本体には紐を通す穴があるので、テントの天井に吊るして「全灯」状態にすれば、充分な明るさになる。
いや、正直に言うと最初は暗いなとは思った。ただ、目がなれてくるとどうってことはなくなる。これくらいでいいなとも思う。すると、この程度だと懐中電灯を持ち歩かなくても、月明かりで夜道が歩けるのだ。暗順応した目に優しい光になる。

球状の面から放たれる光は全方位を柔らかく照らし、スタンドで置いた状態でも机をそれなりに照らしてくれる。
何度も言うが、そんなに明るくない。
この微妙な明るさのお陰で、電池寿命が格段に良い。
単3乾電池3個いれて、エボルタが入ってれば光度「強」で55時間。「弱」なら1000時間も持つ。災害時、電力網が復旧する目安となる1週間、毎日7,8時間つけてても電池交換せずに持つ計算になり、非常用として優れている。

最初はアウトドア用としてsn◯w peakのほお◯きを買おうとしたんだけど、あまりの高価にがっかりしたところ、ヨドバシで見かけたこのデザインにぐっときて買ってみたが、あけてみれば、「当たり」だった。
sn◯w peakのほお◯きが10,000円だとして、これはまぁ、値段丸めて1,000円くらいだから、ほお◯き買う値段で球ランタンが1000個位買えるのだから、コスパの良さが全然違うのがわかるだろう。

安いから1個といわず、2,3個あってもいいかもしれない。
色のバリエーションは数種あり、色温度や光量を細かく調整できるスマートタイプもあり、球ランタンのこだわりが伺える。

長年庶民の生活に寄り添ってきた、松下電工、もといパナソニックが出している今世代に捧げる庶民のための懐中電灯。
使ってみれば、昔使った赤い懐中電灯の電球のぬくもりを感じることが出来た。


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僕が買ったのは、エボルタ付きタイプ。
買ってすぐ最高のパフォーマンスで使える。
説明書には書いてないが、エネループなどの充電池も使用可能、だけどこの場合の電池寿命は不明。



本文中(の画像の中)で紹介している本。
2014年に発売された一肇(にのまえはじめ)氏の本を文庫サイズにしたもの。
ニトロプラスに所属する気鋭の小説家。

暑苦しい男たちと、天井裏に住まう謎の少女の周りで広がるミステリー小説。大学生活のモラトリアムに未練を残す男子全員に捧げる一冊。

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